京都府最北端の街京丹後市の名産グルメ
京都府の最北端で日本海に面しているのが京都府京丹後市です。京丹後市といっても元々は6つの町が2004年に合併してできた都市なので人口は少ないですが、面積は広くそれぞれ特徴も異なります。
市内北部(旧網野町・久美浜町・丹後町は)は日本海に面しており、海産物(特に冬は蟹が有名)やメロン、梨、桃、ぶどうなど果物などが有名です。また夏は海水浴客、冬は蟹を食べに京都市内や大阪近郊から自家用車やツアーなどで多くのひとが訪れます。
特に「間人(たいざ)ガニ」と呼ばれる蟹は高級ブランド蟹で有名で、上質な肉質は勿論足が長くスタイルがいいのも特徴です。
京丹後名物「丹後ばらずし」とは
京丹後地方にのみ古くから伝わる伝統の料理があります。それが「丹後ばらずし」です。
「ばらずし」と聞いてもなかなかイメージが湧かない人も多いと思いますが、見た目のイメージとしては「ちらし寿司」が近いかもしれませんね。
「ばらずし」とは鯖のおぼろを用いて作ります。焼き鯖の煮つけであったり、鯖缶などをおぼろ状に炒めたものを酢飯の上にちらしてつくる丹後地方の郷土料理です。
元々この丹後ばらずしは祭りごとや祝い事、集会行事など大勢の人があつまるときには欠かせないおもてなしの料理で、丹後人にとっては「ハレの日のごっつぉう」として親しまれてきました。
ちなみに京丹後市以外にも隣接している伊根町、与謝野町などの丹後半島一帯と呼ばれる地域でも食べられています。
丹後ばらずしの作り方
丹後ばらずしには鯖のおぼろを用いて作る以外にも特徴があります。勿論お店でだされるばらずしと各家庭で作られるばらずしとは入っている具材や作り方もそれぞれ異なります。
一般的によく使用される例を紹介したいと思います。
一番の特徴は他の地域とは異なり「鯖のおぼろ」を用いることです。古くは焼き鯖をほぐして、醤油・砂糖などで甘く煮付けたあとに炒めておぼろ状にしたものを使用していましたが、近年は市販されている鯖缶を使うことが一般的になりました。
まず折にすし飯を詰めてその上に鯖のおぼろをちらし、さらにその上にすし飯重ね、その上に鯖のおぼろ、かんぴょう、椎茸、錦糸玉子、紅生姜、かまぼこ、グリーンピースなどを盛り付けて完成です。
ちなみにお祝いごとや行事ごと、集会など人が大勢集まるときには「まつぶた」と呼ばれる細くて長い気の箱に入れて作り、木の寿司べらで四角に切り取ってとりわけおもてなしするのが通例です。
テレビや雑誌でも話題
丹後ばらずしは今までテレビや雑誌でも数々取り上げられてきました。
日本テレビ系列で「カミングアウトバラエティ!! 秘密のケンミンSHOW」では、過去に何度も取り上げられ、ゲスト出演した太川陽介さん(京丹後市大宮町出身)はご自身の地元である京丹後市の郷土料理として「丹後ばらずし」について紹介されました。
また2020年3月12日に放送された「ご飯が極上グルメに大変身!?全国絶品ライス祭り」では、なんと他都道府県の並み居るグルメを抑えて、丹後ばらずしが第1位に輝いたのです。
丹後ばらずしはテレビ以外にも大手女性誌やタウン誌、グルメ雑誌などにも多数取り上げられており、今では全国的にも有名な郷土料理になりました。
また丹後ばらずしは地域おこしの目玉商品としても注目されるようになり、京丹後市内にある丹後王国「食のみやこ」では2010年に長さ10メートル、横60センチのまつぶたで作る600人分の巨大ばらずし作りイベントが開催され、子供から大人まで大勢の人が参加し、大盛り上がりのイベントが開催されました。
ちなみにばらすしを飲食店で提供しはじめたのは京丹後市網野町にある「とり松」といわれており、その後関西や関東のデパートの物産展などに出展を行い徐々に広まり、今では「とり松」のばらずしは京都駅のJR新幹線改札内やキヨスク、JR京都伊勢丹でも購入できます。
【店名】とり松
【住所】京都府京丹後市網野町網野146
【営業時間】11:30~15:30(オーダーストップ 14:30)
※現在コロナ対応により営業時間に変更があります。
【定休日】毎週火曜、水曜定休(火曜・水曜が祝日の場合は翌日休)
【駐車場】有
【HP】https://torimatsu.jp/