『お』と『を』の違いって、明確に何か説明できますか?

『お』と『を』の発音は同じなの?皆さん知っていますか?

日本語って難しいと思うことが多々あります。
子供の国語の教科書を見ていると、漢字の書き順を何年も間違い続けていたことに気付いたりしたことはありませんか?
クイズ番組を見ていても、知らない言い回しの日本語が出てきて驚くことも多々あります。
そんな日本語の中でも、ちゃんと答えられる人がどれだけいるのか疑問の『お』と『を』の違い。
当たり前のように使っている字ですが、小学校1年生に教える際、『は』と『わ』、『え』と『へ』と同様に、どう使って良いのかを教えるのに苦労する字です。
これらは助詞として使った場合音が変わる字ですが、それだけでなく、『じ』と『ぢ』、『ず』と『づ』なども使い方を教えるのが難しく、大人でも間違えて覚えている人が高い割合でいる字だったりします。
意外に難しい仮名の発音や使い方。
その中でも、『お』と『を』に注目してみました。

日本語における仮名表記は奈良時代から?どのように変化したの?

仮名ですが、奈良時代の頃の公文書に仮名らしき表記がされているのが一番最初ではないかと言われています。
それは、漢字を崩して書いたと思われるもの、例えば『多』を『タ』、『牟』を『ム』というようなものです。
平仮名ではなく片仮名ですね。
その後、平安時代頃に平仮名の原型のような文章が見られるようになりました。紀貫之の土佐日記は草書で平仮名が使われています。

このように仮名が成り立っていきますが、書かれている字と実際の発音が大きく違うことが多々ありました。
例えば、『こひ(恋)』だったり、『てならふ(手習い)』だったりというようなものです。
この頃は、書かれた字と発音が違うというようなことが本当に多かったようで、現代に生きる私達が古文を学ぶ上で躓きやすい原因ではないでしょうか。

これをきちんとしたもので統一しようとしたのが藤原定家です。
平安時代後期~鎌倉時代前期にかけて、定家仮名文字というものが生まれました。
これは明治に至るまで一般的に広がっていたようです。
『お』と『を』に関しては、元々『o』と『wo』の発音だったものを、両方とも『o』と発音し、単語のアクセントの違いによって書き分けるようになったそうです。
例えば、『をく(置く)』と『おく(奥)』というようなものです。
この頃から一般的には『お』と『を』はどちらも『o』と発音をするようになったそうです。

戦後に定められた現代仮名遣いでは、今まで『わゐうゑを』だったものを『ゐ』は『い』に、『ゑ』は『え』に統一、『を』は格助詞として使う時だけ『を』と書き、その他は全て『お』で統一だが音はどちらも『o』というように定められたようです。

では、なぜ『を』を『wo』と読む人がいるのでしょうか。
統計的には、だいたい4人に1人はこのような発音をするようです。

お と をの発音を分けるのは地域性?世代差?

『お』と『を』の発音を明確に意識的に分けている人は、だいたい4人に1人ほどと言われていますが、その差は地域によるところが大きそうです。
発音を分けている地域は、九州や四国、中部地方に多いようです。
こちらの地域の30代後半以前の人たちは、明確に分けるように習ったという声が多いようです。
どうやら江戸時代に一時的に『を』を『wo』と発音するようになったことがあるのですが、古い発音がずっと残っているようなのです。

ただ現在の教育では、『お』と『を』は同じ発音というのが指針のようです。
外国人向けの日本語講座でも、ローマ字で『を』は『o』と書かれていますので、そう発音するように教えられるそうです。

これとは別に、ワープロ打ちに慣れた方は、『を』を『wo』と打つため、発音もそれに準じて発音しなければいけないと考えて意識的に分けているという、比較的若い世代の声もあれば、歌の中では『を』を『wo』と発音する歌が多いようです。
最も日本語を正しく発音しているであろうアナウンサーでも、『を』を『wo』と発音しているように聞こえることがあります。

歴史の中で、日本語もどんどん変化していっています。
今は『お』と『を』の音は同じであるとなっていますし、使われなくなった仮名文字(ゐやゑのような字)もありますが、また『を』は『wo』が正式に採用されたり、『ゐ』や『ゑ』の字も復活する時が来るかもしれません。
現代の文科省が打ち出している『を』の発音は、『お』と同じ音なのですが、地域や世代によって差があるため、『wo』と発音をしていても間違いではないという寛大な扱いのようです。

方言ではないけれど、発音が違う字。
歴史の中で変遷していった文字とその音ですが、普段何気なく使っている字にも深い意味があると思うとなかなか面白いですよね。

皆さんは、『を』の発音は『o』ですか?『wo』ですか?
『wo』だった方は、そのルーツが住んでいる地域とは違うところだったり、小学校の時の先生が意外な地域出身だったりするかもしれませんよ。

※字についての様々な歴史の見解や文献がありますので、当記事は一意見でしかないことをご了承下さい。

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