「ツバメ」の生態と特徴
毎年春~夏先にかけて街中や住宅地でツバメが子育てするところを目にする事ありませんか?古くから「ツバメ」は我々日本人にとってもっとも身近な野鳥であり、我々の暮らしにも密接関わってきました。
ツバメは北半球に生息しており、春から夏にかけて日本へやってくる渡り鳥です。ツバメはスズメ目ツバメ科に分類され、体長は平均15~20cm、翼を開長した時は30cm前後くらいの小さな鳥です。
ツバメは街中や河川敷、農耕地などに生息し、古くから民家の軒先や店舗の軒先などに巣をつくり子育てをしています。
基本的には肉食で主に昆虫などの虫を食べます。身体からは想像できないくらいのよく食べるので、一日に数百匹の虫を食べるとも言われており、子育て期間中にヒナに与える量もかなりの量と言われています。またツバメは飛行しながら水を飲むことができます。
ツバメの寿命については諸説色々あるようで、1年半と記されたものから、7年や15年近くと記されているものもありますが、それはツバメには天敵がおおいため平均1年半~2年くらいと言われています。個体としての寿命は平均7~10年くらいとも言われています。
ちなみにツバメの雄と雌の見分けかたですが、雄の方が雌に比べて尾が長いのが特徴です。
ツバメの種類はどれくらいあるの?日本で見られるツバメ
ツバメといっても当然種類は沢山ありますが、日本で見られるツバメは全部で5種類です。どのようなツバメなのか特徴と合わせて簡単にご紹介します。
1:ツバメ
日本で最も多くみられるのが「ツバメ」です。全長は約17センチで、毎年春頃(3~4月)に北海道から九州まで日本全域に渡来し、秋頃(9月~10月)に東南アジアへ戻っていきます。いわゆる我々日本人の生活に最も馴染み深いツバメの種類もこの「ツバメ」なんです。
2:コシアカツバメ
コシアカツバメはツバメよりも熱帯地域に生息している種類で、日本にくるのは4月~5月頃と言われており、全長は約18~20センチと日本にくるツバメの種類の中で最も体が大きいといわれています。コシアカツバメも北海道から九州まで渡来しますが、主に西日本エリアを中心に見ることが多いと言われています。名前の通り腰と目の後ろの羽が赤褐色なのが特徴です。
3:ショウドウツバメ
ショウドウツバメは北海道に渡来するツバメの一種で、全長は12~13センチほどの非常に小柄なツバメです。街中には姿をみせず、主に水辺や草原、農耕地などに住み、巣も土の壁や崖、土手などに作ります。胸にT字のような模様があるのが特徴です。北海道には5月中旬~6月初旬頃に渡来します。
4:イワツバメ
イワツバメは北海道から九州まで日本全域に渡来するツバメの一種で、名前の通り岩場に巣をつくります。全長は約13センチほどと小柄のツバメで、腰とお腹が白く、身体全体は黒色で尾羽の切れ込みが浅く、長さも短いのが特徴です。
5:リュウキュウツバメ
リュウキュウツバメは名前の通り琉球諸島や奄美地域に生息しているツバメの一種です。他のツバメとことなり日本で越冬するため一年中姿をみることができます。体長は13センチ程と小柄で、全体的に黒っぽいです。
ツバメの天敵って?
ツバメの天敵にはどんな生物がいるのでしょうか。
1:ハシブトガラス
ツバメの一番の天敵と言えばやはり「ハシブトガラス」などのカラスです。何故かというとツバメが子育てをする季節とほぼ同じタイミングでカラスも子育てをするので、ツバメの雛や卵を襲い、自分の雛に与えるのです。
後に紹介しますがツバメは特にこの一番の天敵であるカラスから雛を守るため(安心して子育てするため)に人間の気配を感じることが出来る店舗や住宅の軒下に巣をつくります。
2:蛇
蛇もカラス同様雛や卵を狙ってきます。蛇は嗅覚が鋭い為ツバメの糞や卵などの臭いを嗅ぎ取ってやってきます。
3:猫
猫もツバメの天敵と言われています。猫はジャンプ力が高い為、巣立ったばかりの雛のようにまだうまく飛べないツバメが狙われる事が多いそうです。
ツバメの巣は何故店舗や住宅の軒下にあるのか
ツバメといえばやはり春~夏にかけて行われる巣作りと子育てですよね。この時期になると街中の店舗や住宅の軒先にあるツバメの巣に卵を温める親ツバメや巣から顔を出している雛に餌を運ぶ親ツバメをよく見かけます。
ツバメが何故人間の生活に近い場所に巣をつくり、子育てをするのかというと、大きな理由の一つがカラスなどの天敵から雛や卵を守るため(安心して子育てができる)です。
先ほど紹介したツバメの天敵であるカラスや蛇、猫などは天敵である人間の生活圏にはなかなか立ち入らないため、そんな人間の生活圏に巣をつくる事で逆に天敵から雛や卵など守る事ができるからです。
ツバメの巣作りと子育て
ツバメの巣は主に泥や枯草を使って作ります。春頃からつがいで協力して巣作りをはじめます。唾液などを練り込む事で強度が増し、そこに泥など重ねていくことでお椀上の巣が完成します。
巣の大きさや形などはツバメの種類によってことなりますが、一般的に我々が目にするツバメの巣はだいたい直径12~13センチくらいで深さも3~4センチほど言われています。そこに枯草や羽毛などを敷きつめて産卵にそなえます。ツバメは1日に1個卵を産み、合計3~7個産みます。全て産み終わってから卵を温め始め、2週間程で孵化し、雛が誕生します。雛が誕生してからは餌を与えるために雄と雌と揃って何百回も巣と餌場を往復するそうです。
ツバメの雛が無事に巣立つ割合は5割程度と言われており、天敵に襲われたり、誤って巣から落ちてしまい亡くなってしまう事もあります。ちなみに巣の下に落ちている雛を見つけた場合、「鳥獣保護法」という法律があり勝手に保護する事ができないため、自治体に連絡して許可を得た上で保護してください。
また同様にツバメの巣を勝手に破壊したり、移動させたりするのも同じく鳥獣保護法違反となり、法律に沿って罰せられますので、注意しましょう。
ツバメの巣は縁起がいいと言われる理由は?
古くからツバメが巣をつくるとその家やお店には縁起がいいとされてきました。何故そう言われてきたかというと下記のような理由があげられます。
1:ツバメの巣は穏やかな人の集まる場所にできるから
ツバメは人が集まる場所に巣を作るため必然的にそこは常に人が集まる場所ということになります。
2:ツバメは鬼門に巣を作らないから
理由はわかりませんがツバメは昔から鬼門にあたる方角や場所に巣を作らないといわれています。つまり巣作りするということは鬼門ではなき幸運が舞い込んでくる場所という事になります。
3:ツバメの巣ができると自然災害に見舞われない
動物は人間以上に本能が発達しているといわれ、安心して子育てをするためには自然災害に見舞われない場所を探して巣をつくると言われているので、巣作りをするということは自然災害に見舞われる可能性が少ないという事になります
4:ツバメが巣を作ることで玄関が綺麗になるから
ツバメの巣の下は雛や親鳥の糞で汚れます。住人やお店の人は糞の汚れを放置する事はないので、こまめに掃除をするのでいつでも清潔な状態を保たれます。玄関を綺麗にすると幸運が訪れると言われているので、ツバメは幸運の象徴とも言われています。
5:ツバメの巣ができると害虫がいなくなるから
ツバメは子育てのために絶えず餌を集めています。ツバメの主食は害虫などの虫なので、それらを常に捕食してくれるので、必然的に虫が減る事になります。
またツバメが巣をつくると「子宝に恵まられる」「商売繁盛する」「無病息災で過ごすことができる」などとも言われ古くから言われていますので、もしご自宅にツバメが巣を作ったら大切に見守ってあげましょう。